こんにちわ
内野です
先日、20年以上営業している
珈琲屋に初めて行った時の話です
自分が入店してすぐ
初めて来た母娘とで客は3人
癖のある店主とは聞いていたので
ここは謙虚に勉強させて貰おうと注文した
珈琲を待っていました
母親が「こういう所にくるのは、初めてなので
何を注文したらいいのか分からないんですけど」
店主 「分からなくていいですよ。ただ珈琲だけでも600種類ありますから、好みを言ってくれればそれに合わせて出しますから」と
母親「普通の下さい」
店主「普通って何ですか?」
母親「いつもインスタントしか飲まないんです」
店主「僕、インスタント飲まないからわからないんですよ」
この後の展開はどうなるんだろうと
少し期待しながら様子を見ていたら
無事、珈琲が運ばれてきたようで
母親は淹れたての珈琲に角砂糖をドボン
暫くして母娘の横に置かれている
アコースティックギターを見て
母親が「ギター弾かれるんですか?」
店主「弾きますよ、こんなの誰だって弾けますし簡単ですよ。けど歌が上手くないから
歌わないようにしてるんです」
そう言っておもむろにギターを取り出し
簡単なコードの説明をし
さだまさしの「かかし」を歌い始めました
歌い終わった店主は
「何で普段歌わない僕が今歌ったかというと
あなたが珈琲を一口も飲まずに砂糖を入れたでしょ、あれ見てとても
がっかりして残念だなぁ、嫌だなと思ってね。
その気持ちを払拭したく歌うことによってそれをチャラにしたかったから歌ったんだよね」
歌うことによって
自分の心のバランスを取る店主
「僕の焙煎の仕方で出してる珈琲は東京では3倍位の値段で
出してる店もあるけど敢えてこの値段で出してるんですよ」
母親「でもその3倍の値段で出したらお客さん来ませんよね」
とまたぶっこむと
店主「いえ、来ますよ。それだけ価値のあるものを出してる自信があるので」
今よりお金を儲けようと思えば簡単に出来る
けど敢えてしない
自分にとってのちょうどいいバランスが」わかってるからこそ
ご自身の技術に対する自信
こちらも技術を提供している者として
気づかされた事も多く学びがありました
何より
そこで滞在した2時間がまるで
短編映画を観ているかのような
そんな素敵な時間を過ごしました
カフェもいいけど
喫茶店もいいもんだな(^^)/